闇の戦士 アーリマン。 彼のイメージは研究者肌の魔術師です。
赤い鳥はウネさんの オウムを参考までに・・・




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月に照らされた夜の帝都。






抜きんでたその大都市の中央部には 白亜の城が亡霊のように薄青に彩られ、
呪うかの如く下々の者を見下ろしている。


昼の喧噪はすでになく、 時折聞こえる 夜鳥の甲高い声があたりにこだまする。



夜の帳に静まり返った巨大都市だが、その中で活動する者もここでは少なくない。



闇の中、嬉々として 動くものに、”彼”が居た。






巨大な城を中央にし、いくつもの軍事施設や研究施設などが肩をならべている。

そして、その一施設。


何百人も収められそうなその空間に、いくつもの機材が散乱し、
不可思議な光や音を発していた。


昼間なら 何十人もの人間がその合間をばたばたと駆け回っているところだろう。




が、深夜。



そこに居たのは一人の男。

研究物の発する淡青い光に 彼の姿がぼんやりと照らされている。


羽織る白衣と同色の髪はさらさらと肩まで流れ、軽く動くたびに青銀色の光を放つ。

なによりも目をひくのが切れ長の目に納まる その金の瞳。
そして猫のように細長い瞳孔。


ほほ笑むその顔は 獲物を見つけた したたかな肉食獣のよう。

本を眺めながら、研究材料に手を加え出す。


ばさり、と彼の肩に何かがとまった。


それは、一羽の赤い鳥。


その鳥は彼の耳にそっと嘴を近づける。


彼は鳥の言葉に目をすっと細める。






「なるほど・・・・・お客様のようですね?」




彼は 後ろを見ずに 不意にあらわれた”後ろの人物”に声をかける。



「・・・・・夜分に失礼しますの。・・・ドクトル・アーリマン。

・・・いや、闇魔術師アーリマン、と呼ぶべきかな? 」





”彼”──帝国一の魔術師―はふっと笑うと後ろの人間に顔を向けた。



振り返った彼の目の前には 紫色の長衣をはおった一人の老人の姿があった。
長いあごひげが研究室に灯る青白い光に侵食されている。




「お好きなように。───賢人ノア。

このような時期に何か御用ですかね? 」



ノアと呼ばれたその老人は 左右非対称に顔をゆがめてほほ笑んだ。


「おまえさんも 狡い男よのぅ。 ・・・・と、いうより 
おまえさんほど狡いやつを見たことはいままでないがの。 」




「さぁて。世界は広いですからね。」


口元に微笑を浮かべながら、闇の魔術師は賢人を見据える。




「・・・余談は今度にいたそう。・・・ お前さんも皇帝の様子が最近おかしいことに
もう気付いているのであろうな?」




「そうですね・・・まぁ人は気の変わる生き物ですから。
・・・まぁ 最近 面白い研究をさせてくれるようになりましたが。」




「・・・・・とうとう禁呪に手を出し始めたか。
まあ一番に依頼をするならお前さんのところかとは察していたがな。 」




「 なかなか できない体験ができて、大変楽しいところです。
──私は自分が満足できればそれでいい。」



柔和だった賢人の顔が一瞬するどくなる。



「私の答えがお気に召されなかったようですね?」



「──このままにしておくと大変なことになる。
わしはおまえさんを迎えにきた。

世界を修正するのにお前さんの力・・・闇の力が必要だ。」



「───断れば?」




「・・・・・・おまえさんは 重々承知しておるだろうが。
この世界が終ることになりかねん。」








「世界の終り、ですか?」



彼は 楽しそうに笑う。




「──残念ながら 興味、ないです。


なによりも、自分の命にも興味がない。 」




「・・・・・お主・・・」





闇の魔術師は そこで パタリと持っていた本を閉じた。




「── そのかわり、賢人ノア。

この場所に居ることより、面白いことであれば

貴方についていきましょう?」



そして、老人と目があうと、
さきほどとは違う 少し自嘲気味な笑みを漏らした。






【end】


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と、とりあえず
闇の戦士、4人集めてみました〜
自己満足・・・・

(何をやりたいんだ、きなこ・・・・)