暗き青の群れる天


きしきしと 黒い影が 大地に切り込みを入れてゆく。



それは 肌褐色の青年。

はるか灼熱の大地よりの旅人。

灰色の厚い外套を強く抱き
 
かつてない 大気の刃に身を震わせる。

真白い 吐息。

幽かな 言葉。

「君 は どこか」 と。




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