〜収穫祭〜

☆収穫祭☆

この時期、イシンシアでも収穫祭は行われます。
どのようなことをするのかというと、皆で取れた色んな食材を持ち合い、
それぞれの料理に舌鼓を打つのです。

また、教会では様々な収穫物がイシンシアの大地に向けて捧げられます。

さてさて、
お城の裏にある 『オットーの森』では、いつも大きな栗が採れます。
それを取りに行くのは子供達の仕事。
それを職人さんの所へ持って行き、色々なお菓子や料理を作ってもらうのです。
勿論、王様のユアン君もまだまだ子供であるので、行かねばなりません。



ユアン:「うひゃあ〜。今年も見事に出来たな〜!巨大栗っ(笑)!!
それにしても・・子供の仕事っていうのも・・なんだよな・・。」

紅葉の中、恐ろしくも、巨大ないがぐりが、木になっている。
大体大きさは、人間の頭程。中にはその半分位の栗が入っている。
実は、この『巨大栗』、イシンシアの特産物の一つである。

イトシン:「今年も凄いですねぇ。巨大栗は。」

同じくまだまだ子供の位置にいる若い大臣は、その短い黒髪に、参った、とばかり手を当てる。

ローズ:「こんなにおっきな栗があるなんて・・。食べれるの?」

薄紅色の髪をした薔薇の精、ローズが呆けたように木を見上げる。

イトシン:「勿論です。いがぐりも一見危なそうに見えますが、とても柔らかい『いが』なので、触っても大丈夫ですよ。」

ユアン:「まあ、怪我をするのは実が落下する時だな。低い木だからそんな大層な怪我はしないだろうけど。
たんこぶの一つは覚悟だよな〜。だから、あまり木の下は行っちゃだめだ。
まだ落ちているのは少ないな、・・お、向こうの方、結構落ちてるぞ〜。」

ユアンが言う方に行ってみると、沢山の巨大イガグリが転がっていた。先客も何人かいるようだ。
子供達がそれぞれ色々な入れ物を持ち合って、落ちている栗を拾う。

ユアン:「よっしゃ、ここは俺達もがんばらねば!」

イトシン:「沢山とったら、ホルベルクさんのお菓子屋さんに行って、また巨大モンブランを作って貰いましょうね。」

ユアン:「うぃっす!」

ローズ:「巨大、モンブラン・・?」




さてさて、沢山巨大栗がとれたので、街のお菓子屋さんへやってきました☆
ホルベルクさんは、街きってのお菓子作りの名人です。




ユアン:「ちーす、おやっさん!今年もいいのが取れたぞ〜」

イトシン:「こんにちわ、ホルベルクさん。」

ローズ:「こんにちは。」

ホルベルクさん:「おや、皆さんお揃いで、ようこそいらっしゃいました☆いや、今年も豊作ですなぁ。
有難うざいます。今年は更に巨大なモンブランが作れそうですなぁ。」

ユアン:「去年よりでかいの作ってよ! そうだな〜、去年のは丁度俺の背丈ぐらいだったよな。
今年は、う〜んと・・。オヤジぐらいでかいの作れないかな?」

ホルベルクさん:「でもせっかくですから、今回もユアン様の背丈に合わせましょうか。」

ユアン:「え〜。じゃ、去年と変わらないじゃん。」

ホルベルクさん:「去年より、大分背が伸びていますよ。なあに、そのうち直ぐにマーロウ様程になりますよ。
そうだ、どうですか?良ければ皆さんもモンブラン作りをしてみては。」


皆でモンブラン作り☆
一番上手く作れたのは誰でしょう?


ホルベルクさん:「いや〜、イトシン様は筋がいいですなぁ。」

イトシン:「え、いや、それほどでも・・・///。」


ローズ:「・・・ユ、ユアンのも、なかなかシュールでいいんじゃない?・・。」

ユアン:「・・・ロ、ローズのもピサの斜塔(笑)みたいでゲイジュツ的だよな・・。」

ユアン:「あはは・・・。」

ローズ:「おほほ・・・。」

<了>